建築家、このビルは燃えないと思っていたよ、、、、、わたしもだよ。映画『タワーリング・インフェルノ The Towering Inferno 』での、スティーヴ・マッキーンから、ポール・ニューマンに向けられた言葉と、その返事です。前回は建築家、ポール・ニューマンの視点で楽しんだこの映画を、今夜は消防士、スティーヴ・マッキーンを追いながら味わっています。
歌劇のスタイルに、『グランド・オペラ』があります。オペラ全体は五幕はある長大で、大規模な作品で登場人物も多くて主役が誰か分からないようなものです。1932年の映画『グランド・ホテル』が、そうした主役級の出演者を集めた映画でした。今だったら、オムニバス形式にしちゃうかも知れないけれども同時に幾つものエピソードが進行していく映画で、この映画のタイトルを関して『オリエント急行殺人事件』や『タワーリング・インフェルノ』をグランド・ホテル形式と呼ぶ事があります。
2010-11-10
11月7日は、スティーヴ・マッキーンの命日。映画「タワーリング・インフェルノ」のメイン・タイトル [1974]
指揮者の肖像、エンニオ・モリコーネ。11月10日は、マエストロの誕生日。
荒野の用心棒のテーマ音楽は、ヨーロッパ発の娯楽西部劇を最も印象づけるシンボルではないでしょうか。ジュリアーノ・ジェンマ、クリント・イーストウッドといった主人公よりも・・・わたしがエアチェックしたカセットテープには、『エンリオ・モリコーネ』と書いてあります。曲紹介の聞き取り誤りですね。今日、11月10日は『エンニオ・モリコーネ(1928〜)』氏の誕生日です。
眼光鋭く、エンターテイナーとしてよりアーティスト然としているエンニオ・モリコーネ氏は、映画音楽の作曲家としてよりも現代音楽の作曲家と観られる方が喜んでくれるでしょうから、こうした写真の方がふさわしいのではないかしら。
11月7日は、スティーヴ・マッキーンの命日。映画「砲艦サンパブロ」のメイン・テーマ [1966]
自由を与える開放感を感じたいから、お金を払うの。・・・「買ったばかりの小鳥を逃がすために、お金を使うなんてな」。小鳥売りの少年から買った、小鳥の籠をキャンディス・バーゲンに手渡しながら、スティーヴ・マッキーン扮する士官は新鮮な考え方を学んだようです。長い映画「砲艦サンパブロ」の後半を象徴するような、印象的なシーンではないでしょうか。鳥かごの蓋が開いて、飛び立っていった小鳥が高い楼門の屋根に泊まりますけど、鳥刺しがまた捕まえるんだろうな、なんてことは考えてはいけませんよ。
2010-11-08
11月7日は、スティーブ・マッキーンの命日。映画「ブリット BULLITT 」のテーマ [1968]
ジャズに、映画の音楽から慣れ親しむ足がかりとした人は少なくないと思います。スティーブ・マッキーンが主演していた映画「ブリット BULLITT 」のテーマ音楽も、そうしたジャズ・サウンドを親しむためになった曲だったと思います。作曲と音楽は、ラロ・シフリン。映画音楽のプロとして、ジャズ・サウンドにアプローチし続けた音楽家でした。この映画「ブリット」が作られたのは、1968年。同じ頃にクィンシー・ジョーンズはジャズミュージシャン側から、映画音楽にアプローチしていましたね。ラロ・シフリンとクィンシー・ジョーンズの音楽は、同じようだけれどもハーモニーか、リズムかといったところで違っていると、わたしは考えています。
スティーブ・マッキーン(Steve McQueen、本名:Terrence Steven McQueen、1930年3 月24日 - 1980年11月7日)没後30年に当たって、NHKが代表作をハイビジョン放送。命日の「大脱走」の放送に続いて今日、2010年11月8日はNHK Bs-hiで「ブリット」が放送されました。
2010-10-30
狼は天使の匂い LA COURSE DU LIEVRE A TRAVERS LES CHAMPS ...AND HOPE TO DIE
暗い金曜日。という本が原作。映画「狼は天使の匂い」は1972年の仏映画で、日本では1974年に劇場公開されました。ギャングを働くために集まった男たちと2人の女性の物語だけれども、原作付きだというところがトーンを抑えたドラマ展開になっているのかも知れません。洋画を見るようになった小学高学年の頃から抱いていた印象が、原作を元にした映画作品は展開がもそもそとしてて、見入っていると身体がほてってくる感じがするってこと。
音楽はフランシス・レイ。テーマ曲はすぐに浮かんでこない印象に薄いけれども、聴けばジンと胸を打ちます。フランシス・レイの音楽のような映画音楽を感じられなくなって、久しい。日本映画にも随分と影響を与えていたようだけれども、DNAは何処かに眠っているのかなぁ。映画の音楽にポップスやロックが使われるようになってから、いわゆる「映画音楽」というジャンルは身を細めてしまっているように感じます。わたしは今でもロマンティックな映画を観る時には、フランシス・レイの音楽のゴーストを追っています。。