AORを最近では違って言い方をしている事があるけれども、アダルト・オリエンテッド・ロックは1970年代中頃から使われはじめました。だいたい80年代のロックでもポピュラーでもない洋楽、その大方の根っこはアメリカ西海岸。ウェストコースト・サウンドとも当時は言っていましたね。日本の歌謡曲の歌手も録音だけではなく、日本のスタジオでレコーディングしたテープをカリフォルニアのスタジオでミキシングするというのがトレンドでした。
イーグルスの“ホテル・カリフォルニア”の音で代表できる様にカリフォルニアのスタジオでミキシングした音は、日本国内やヨーロッパでの音とは違いました。歌や歌詞よりスタジオ・ミュージシャンがクローズアップされる様になって、嬉しかったプレーヤーも居るんじゃないかしら。1970年代は日本のフォークグループが海外録音と言えば、フランスが常でした。サウンドと言うよりも、レコーディングの環境が音楽に影響するというところでしょう。音では無くてね。