ドヴォルザークの《チェロ協奏曲》は、19世紀から20世紀へとクラシック音楽の発展を橋架けた名曲です。クラシック音楽の作品群にはチェロ協奏曲がベースにあり、バロック時代から古典派にかけて協奏曲の作曲家はチェロ協奏曲の作品が占める割合が多い。それは仕えていた貴族の主が主にチェロの奏者であったからです。
ですが、主の嗜好、或いは技量にあわせて作曲されていたので同曲異版といった印象は否めない。現在のチェリストが嘆くのは仕方の無いことでしょう。
しかし、かなりのトライがなされ尽くしていたので以降の作曲家は《チェロ協奏曲》を多く書いていません。そうして19世紀が終わろうという頃になってドヴォルザークが《チェロ協奏曲》の決定版を書きました。これを聴いてブラームスが、「チェロでこんな素晴らしい協奏曲がまだ作曲できる余地があったとは、不覚だった」と驚嘆。20世紀のクラシック音楽は、このドヴォルザークの《チェロ協奏曲》に触発されたウォルトンの作品で幕開くのでした。
これまでドヴォルザークの《チェロ協奏曲》の推薦盤を尋ねられた時には、ジャクリーヌ・デュ=プレの演奏盤を奨めてきました。ただし、『音の印象は、英オリジナル盤を聴いてのもので、CDを聴いての感想ではありません。』と一言は外せない。
出物は争奪戦になるレコードの代表。このレコードを2年ぶりに入荷です。関心のある方はコメントください。 写真は2年前に紹介した英ANGEL盤ですが、今回「英EMI ASD 2751」盤を入手できました。
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